AIミステリー1/7話「霧の坂、七人の影」

AIに気ままに書かせてみた

登場人物

  • 朝倉澪(あさくら・みお)……フリーライター。語り手。
  • 久世真司(くぜ・しんじ)……元編集者。霧ヶ峰の旧天文台「星影館」の管理人。
  • 鳴海紗季(なるみ・さき)……装画家。寡黙で、白い指先をしている。
  • 樋口朔(ひぐち・さく)……中学校教師。几帳面で、声が低い。
  • 片桐遼(かたぎり・りょう)……時計修復師。油の匂いをまとっている。
  • 三枝冬馬(さいぐさ・とうま)……映像作家。笑い方が軽い。
  • 柚木千鶴(ゆのき・ちづる)……古書店主。静かな観察眼を持つ。

霧ヶ峰へ上る道は、夕方にはもう夜の気配を帯びていた。十一月の山は音を吸い込む。枯れすすきが風に伏し、窓硝子の向こうで空は鉛色に沈み、ヘッドライトの光だけが白い息のように前へ伸びる。私はワイパーが払う霧の筋を見つめながら、十二年ぶりの約束を何度も後悔した。

旧天文台「星影館」は、山腹に貼りつくように立っていた。丸いドーム屋根は曇天を背負って鈍く光り、石段の端には、凍えた椿が紅を濃くして落ちている。玄関脇のランプだけが黄ばんだ火を灯し、そこに立つ久世真司の顔を、昔より老けた骨ばった影にしていた。

「よく来てくれた」

乾いた声だった。編集者だった頃の切っ先の鋭さは消え、代わりに、どこか遺言のような静けさがあった。

暖炉のある談話室には、もう五人が揃っていた。鳴海紗季は窓辺で雪の気配を見ていたし、樋口朔は膝の上で両手を重ねていた。三枝冬馬だけが場違いに明るく、「同窓会にしちゃ趣味が暗いな」と笑ったが、その笑いはすぐ乾いた木に吸われた。柚木千鶴は古い天球儀に指も触れず目だけを向け、片桐遼は柱時計の振り子の音を聞いていた。

あの柱時計は、十二年前の合宿の夜にも鳴っていた。あの火事の夜にも。

夕食前、久世はテーブルに七つの封筒を並べた。生成された文字で、同じ題名が印字されている。

「AIに気ままに書かせてみた7話完結のミステリー」

「昔、お前たちがここで書きかけた連作の断片を、日記や原稿の残りから再構成させた」

誰もすぐには意味を呑み込めなかった。

「第七話まで読めば、十二年前に何が起きたか、もう言い逃れはできない」

その言葉に、暖炉の火が一度だけ大きく鳴った。私は思わず、鳴海の横顔を見た。白い頬が、ほんの少しだけ強張っていた。

壁の柱時計が、低く七つの音を打った。私はその音の数え終わりに気づいた。振り子の揺れと、久世の視線が、まるで誰かの呼吸を測っているようだった。

その時計は、七分、進んでいた。

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