AIミステリー6/7話「新月の告白」

AIに気ままに書かせてみた

登場人物

  • 朝倉澪(あさくら・みお)……フリーライター。語り手。
  • 久世真司(くぜ・しんじ)……元編集者。霧ヶ峰の旧天文台「星影館」の管理人。
  • 鳴海紗季(なるみ・さき)……装画家。寡黙で、白い指先をしている。
  • 樋口朔(ひぐち・さく)……中学校教師。几帳面で、声が低い。
  • 片桐遼(かたぎり・りょう)……時計修復師。油の匂いをまとっている。
  • 三枝冬馬(さいぐさ・とうま)……映像作家。笑い方が軽い。
  • 柚木千鶴(ゆのき・ちづる)……古書店主。静かな観察眼を持つ。

夜明け前の温室は、ガラスというガラスが白く曇っていた。内側だけに息をしたような曇り方で、その向こうに、椿の赤とシダの濃い緑がぼんやり滲んでいる。片桐はその中央に立っていた。逃げる気は、もうないらしかった。

皆を呼ぶと、誰も驚かなかった。おそらく、それぞれに薄く気づいていたのだ。人は、真実を知らないのではなく、知ったまま見ないことがある。

「俺が火をつけた」

片桐はまっすぐ鳴海を見なかった。ガラス越しの夜明けの色だけを見ていた。

「資料室で、あの男がお前に触ってた。原稿も持ってた。頭が真っ白になった。ランプを払い落とせば、脅かして終わると思った」

鳴海は唇を噛んだ。指先が震えた。それでも彼女は逃げなかった。

「久世は、燃え残った原稿を持ち出した。俺たちに黙るよう言った。お前のことを表に出したくないなら、って。俺は従った。全員を巻き込んだ」

「だから今夜も?」樋口が低く問うた。

「今夜もだ。久世は病気で、死ぬ前に正直になるつもりだったらしい。でもあいつの正直さは、いつだって自分を主役にする。鳴海の傷まで、自分の贖罪の小道具にする気だった」

冬馬が拳を握った。 「殺していい理由にはならない」

「わかってる」

片桐は素直に頷いた。その頷き方が、かえって痛々しかった。十二年間、彼は罪を抱えて静かに暮らし、毎日小さな歯車ばかり相手にしてきたのだろう。狂った時間を直し続けて、自分の一夜だけは一度も直せなかったのだ。

柚木が静かに言った。 「じゃあ、私たちも同罪ね。誰も、あの夜を終わらせなかった」

その言葉は、温室の硝子に当たって、細かく砕けたように響いた。

外が少しずつ明るくなる。新月の朝は、夜の続きみたいに白い。遠くで車の音がした。ようやく、下から人が来る。

私は第七話の紙を持っていた。読み上げるべきか迷っていたが、片桐が首を振った。

「最後まで読んでくれ。たぶん、それで終わる」

だから私は、温室の曇った光のなかで、機械が再構成したはずの、けれど人間の罪と祈りでしか書けない最後の一枚を開いた。

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